トレンチコートのパーツと役割
皆さん、ご機嫌いかがですか?
ビジョンスタイリストⓇ 良岡侑宙です。
ブログ「2020年 春のおすすめトレンチコート」
でトレンチコートのお話をしましたが、
なにやら他のコートとは違い
様々なパーツ?らしきものがついている・・・
と思われたことはないですか?
これは、トレンチコートが第一次世界大戦時に
イギリスの陸軍が塹壕(トレンチ)戦で着用していた
防水型のコートが起源ということもあり、戦闘服の
機能性をベースとしたパーツなのです。
では、各パーツのディテール・機能についてお伝えします。
トレンチコートのパーツと機能
①スロートラッチ( チン・ウォーマー )
襟裏に収納されている小さなベルトのことで、 チン・ウォーマーとも呼ばれます。
これは、雨風が入るのを防ぐため、フック留めした襟の上をカバーする役割のものです。
本格仕様のクラシックなトレンチコートに見られるパーツです。
②ガンフラップ
トレンチコートが戦闘服の機能性をベースにした・・
とお伝えしましたが、こちらはライフルを発砲したときの
衝撃を吸収するための名残です。
今は、前ボタンを上まで留めた合わせ部分を覆う風よけや
雨だれの進入も防いでくれます。
ちなみに、 デザインとしては片側に付けられています。
女性用コート(右前合わせ):左側
男性用コート(左前合わせ):右側
③エポーレット
エポレットの語源は、フランス語で肩を意味するエポール(epaule)に
「小さい」を意味するetteがついてエポレット(epaulette)となった
と言われ、これが英語化してエポーレット(エポレット)と呼ばれる
ようになったようです。
元々、肩を保護する目的から兵士のショルダープレートとして
使われていましたが、 階級を示すバッジを付けたり、双眼鏡や
水筒のストラップが滑り落ちるのを防ぐために取り付けられたそうです。
④ラグランスリーブ
トレンチコートの袖のラグランスリーブ(*)は
ラグラン将軍という方が右手を負傷した際、
簡易な着脱を目的に採用した仕様が起源と言われています。
肩の位置が決まっていないので、
オーバーサイズでの着用がしやすいです。
* ラグラン・スリーブ
ネックラインから袖下にかけて斜めに切り替えてあり、肩と一続きになっている袖の形。
⑤アームベルト
袖口から寒風や雨風の進入を締めて防げるように、
袖口にはベルトが施されています。
また、これにより腕を動かしても袖がまくれないよう
になっています。
⑥貫通式ポケット
トレンチコートの起源はタイロッケンコートにあります。
「タイロッケン」とは「ひもで留める」といった意味で、
ボタンやジップの代わりにベルトで固定するタイプの
コートを指します。
当時のタイロッケンコートはポケットがなく、内側に
手を入れられるスリットだけが施されていました。
本格仕様のトレンチコートはその名残を再現しており、
箱ポケットから内側に手を入れられる貫通式ポケット
が施されています。
⑦ストームシールド (アンブレラヨーク)
肩から背中にかけて、二重構造になったフラップのような布部分の事です。
「アンブレラヨーク」とも呼ばれています。
降りかかった雨がコートに浸透することを防ぐためのもので、
水滴が滑り落ちるよう、やや傾斜するように縫製されています。
⑧Dリング(Dカン)
第一次世界大戦当時、軍事用品(手榴弾)を下げるために
使われていたそうです。
今では装飾として形をとどめていますが、ステッチをかけた
ベルトにしっかりと固定されているのは、その名残です。
本格仕様のトレンチコートでは、その名残を再現しています。
⑨インバーテッドプリーツ
バックスタイルの裾の部分が、ひだ山を突き合わせたような
構造のプリーツになっているデザインです。
ウエストまで届くほどの広い範囲に切れ込みが入っており、
内側のボタンを外すと大きく裾が広がります。
これは、戦地で乗馬する際に、開いた足の動きを阻害しないよう
考案されたといわれていています。
洋服の背景を知る
様々なパーツが施されたトレンチコート。
このコートのように、洋服には歴史や用途の工夫が
成されたものが色々あります。
その背景を知るだけでも、洋服を着る楽しさが+されますよ!
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